脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の患者数は現在約150万人といわれ、毎年50万人以上が新たに発症していると推測されています。 (図1参照)脳卒中は、がん、心臓病に次いで日本における死因の第3位となっています。また「寝たきりになる原因」の3割近くが脳卒中などの脳血管疾患です。 今後、日本は高齢者の激増や、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の増加により、脳卒中の患者数は2020年には300万人を超すことが予想されています。
この脳卒中のなかで、脳出血は近年減少してきましたが、食生活の欧米化などに伴う動脈硬化や代謝異常の増加により脳梗塞の患者数は増加してきています。 このため、何より重要なことは、脳梗塞にならないように予防することです。後述の点に注意し健康な生活を遅れるようにしましょう。
特に注意したいことは、こまめに水分を補給することです。からだが脱水傾向になると、血液は濃縮されてドロドロになり、固まりやすくなってしまいます。 つまり、脳血栓による脳梗塞が起きやすくなってしまうのです。脳梗塞は高齢者に多い病気ですが、高齢者はからだの水分が少なくなっても喉の渇きをあまり感じないことがあります。 そのため例えば夜寝る前や、夜中トイレに起きたときなどには、コップに3分の1から半分程度の水を飲むと良いでしょう。
脳梗塞を発症する前には、一時的に、手足の脱力やしびれなどの症状が出現することが良くあります。大半は、数分で症状は消えてしまいますが、 このような症状は、脳梗塞の「前ぶれ」が考えられますので、すぐに医療機関に受診してください。
これらの前ぶれ症状は、すべて起こるわけではありません。障害を受けた脳の部分に応じて、いずれかの症状が起きてきます。 疑われる症状が1つでも起きたときには、迷わずにお近くの医療機関に受診をして診察を受けてください。
特に、「高血圧、糖尿病、高脂血症、心臓病」などをお持ちの方は、脳梗塞を引きおこしやすいため、前ぶれ症状に特に注意することが大切です。